今回は、温州みかんの健康効果について、ご紹介いたします。
冬はみかんが美味しいですよね。
この冬はたくさん食べたという方もいらっしゃると思います。
温州みかんは近年さまざまな健康効果が研究で明らかになってきました。
■β-クリプトキサンチンの健康効果■
温州みかんには、体に必要な糖質、ビタミン、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれていますが、特に果汁の中には、カロテンやβ-クリプトキサンチンという黄色の色素が多く含まれています。
β-クリプトキサンチンは、カロテノイドの成分の一種で高い抗酸化作用があり、ビタミンAと同じ働きがある一方で、がんを予防する可能性が期待されている成分です。
また、温州みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンは、2005年に肝臓の機能を守る効果があることが発表されました。
そのほか、2012年、農研機構、浜松医科大学、浜松市の共同研究グループが、
温州みかんをよく食べる閉経後の女性が健康な骨の維持、形成に有用である可能性を見出し、β-クリプトキサンチンの血中濃度が高いと、骨粗しょう症の発送リスクが約9割下がると発表しました。
2016年には、同じ研究グループが、β-クリプトキサンチンの血中濃度が高いと、糖尿病や脂質代謝異常症、非アルコール性肝炎の発症リスクが低下することも発表しています。
■ペクチンの健康効果■
温州みかんを食べる時の薄皮や白い筋には水溶性食物繊維の「ペクチン」が含まれています。
ペクチンは、腸内で善玉菌である乳酸菌の増殖を促し、腸内環境を整える効果があります。
これには、腸内の物質と結合することで便の容積を増やし、腸の蠕動運動を促進さえ、便秘を改善する働きがあります。
また、大腸がんの予防や、血液中のコレステロールを減少させることで、脂質代謝異常症の改善に効果があるとされます。
そのほか、ペクチンには糖分の吸収を抑える働きがあるため、血糖値の上昇を抑制する効果が期待できます。
■ヘスペリジンの健康効果■
温州みかんの皮や、果実の薄皮(袋)、白い筋には、ポリフェノールの一種、ヘスペリジンが含まれています。
ヘスペリジンは、血管の機能を改善するといわれており、血管を拡張させて血流を促し、体を温める働きがあります。
また、中性脂肪を分解したり、血圧を抑えたり、血管を保護する働きがあるといわれ、高血圧、動脈硬化を予防します。
さらに、2017年、東北大学の研究者らは、網膜障害のマウスにヘスペリジンを与えると、網膜内の酸化ストレスが軽減され、網膜神経節の細胞死を防ぎ、視力の低下が軽減されることを明らかにしました。
この研究結果で緑内障治療の可能性が示唆され、治療の一助になることが期待されます。
みかんは、ハーブでも、皮の部分を乾燥させた「オレンジピール」としてあります。
みかんの皮を使用したハーブティーは、上記のペクチンやヘスペリジンが含まれておりますので、ティーとして服用しても同じ健康効果が期待できます。
爽やかなカンキツの香りで癒されながら、心身の疲労回復や整腸、健胃作用がありますので、ハーブティーを飲む時は、ぜひ「オレンジピール」のハーブも少し加えてみてはいかがでしょうか。